POETIQUEのディレクターに、2022 AW collection 『petits fours』の制作の裏側・アイテムのポイントを伺いました♡

10月に入り、満を辞してリリースされた、POETIQUE 2022 AW collection 『petits fours』。

秋冬の定番アイテムから、POETIQUEらしいアイテムまで、大充実のコレクションに♡

今回は、POETIQUEの世界観はどのように創られているのか、どんなこだわりを持ってお洋服作りをしているのかなど、普段は聞けない「POETIQUEの気になること」をディレクターに直撃取材!

2022 AW collection 『petits fours』の制作の裏側から、アイテムのポイントまで、たっぷりとお話を伺いました♡

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PORTIQUE ディレクター Mさん

デザイナー歴14年、axes femme (POETIQUE) は5年目の、経験豊富なデザイナー。シンプルよりも装飾系が好きで、個性的なデザインも好むそう。

POETIQUEのアイテムは、どのように制作しているのか?

インタビュアー

まず初めに、POETIQUEのアイテムを制作するにあたって、インスピレーションの源となっているものは何ですか?

POETIQUE
ディレクター

とにかく、どこにでも出かけることですかね。

洋服屋さん、展覧会、デザインフェスタなど、色んなところに行って、色んなものを見て、感じるようにしています。

あとは、アニメやディズニーなどの映像作品もインスピレーションを刺激されるものの一つで、よく見ています。

とにかく創作物を見て、聞いて、感じて、色んなものを自分の中に取り入れることを意識して生活していますね。

もちろん、お客様の声も非常にありがたく、大事にしています。

実は、年末年始や繁忙期などに、年に4~5回お店で接客に出ているんです。

接客を通して、お客様のリアクションを見たり、生のお声・お悩みを聞いたりして、商品企画のアイディアに反映させています。

インタビュアー

POETIQUEからは、コラボアイテムのリリースも多いですよね。

POETIQUE
ディレクター

そうですね。最近だと、キングダムハーツコラボも担当しました。

デザインを考える前に、まずはゲームを買って、プレイするところから始めました(笑)

コラボアイテムを制作する時には、世界観を知るためにも、 “全て体験してから”、デザインに移るようにしています。

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インタビュアー

今回リリースされた 2022 AW collectionのシーズンコンセプトは 『petits fours(プティ・フール)』ということですが、どのように決まったのですか?


〜POETIQUE 2022 AW collection 『petits fours』〜

好きなものを好きなだけ
あなたのワガママを叶えるコレクション
いつでもポエティックに私らしく

POETIQUE
ディレクター

『petits fours(プティ・フール)』はフランス語で、「一口サイズの小さな菓子」という意味があります。

女の子は、色々なものを、ちょっとずつ、好きなだけ食べたいものだと思います。おしゃれでも、色々な好きなものを取り入れて、可愛くいたいもの。

そんな願望を叶えられるよう、「好きなものを好きなだけどうぞ」という思いを込めて、『petits fours(プティ・フール)』というシーズンコンセプトにしました。

実は、「as you like (お好きなままに)」というシーズンコンセプト候補もありました。どちらも根本には、「自分の好きなものを、好きなだけ、好きなように」着ていただきたいという想いがあります。

『petits fours』のカタログコーデをそのまま楽しんでも良いし、アイテム一つだけを普段の服装に加えてもらうのもおすすめ。

POETIQUEのお客様の中には、学生さんなど、お小遣いの中で買ってくださる方もいらっしゃるので、単品使いもしやすいアイテム構成にしました。

また、シーズンコンセプト選定の裏話ではありますが、可愛くなりそうな単語や、お客様がわかりやすい言葉を選ぶようにもしています…!(笑)

ファーティペットロングコート

インタビュアー

次に、早速ですがアイテムについてお伺いします。今回のカタログは6パターンのスタイリングがあるそうですが、特に注目してほしいアイテムを教えてください。

POETIQUE
ディレクター

まずは、毎年人気のファーティペットロングコートですかね。

ご好評いただいているので、毎年デザインを変えてリリースしています。

お顔まわりが華やぐふわふわのファーティペットや、女の子らしい裾のスカラップデザインに繊細なレース、お袖や襟にあしらわれたかわいらしいピコレースなどがポイントで、全体的に「お上品可愛い」仕上がりを意識しました。

また、フィットアンドフレアのシルエットで、中にスカートを着ると、よりふわっとしたシルエットを楽しめます。

その上で、ウェストのラインをきゅっと締めて、大人っぽくなるように仕上げています。

丈感は、「ロングとミディアムの間の丈」。身長を問わず着られるコートを目指しました。

POETIQUE
ディレクター

そして、今回は初めて、ファーティペットを取り外し可能なタイプにしました。

というのも、今まではリボンを自分で巻くタイプが多かったのですが、リボンを上手く結べないとのお客様からの声が意外と多かったんです。

できるだけ簡単に、快適に着ていただきたいので、今回は差し込むだけで着脱ができるデザインにしました。

ファーティペット自体にもこだわっていて、他のアイテムに合わせて単体で付けられるくらい、クオリティの高いものに仕上げました。

「コートに、おまけで、とっても可愛いファーティペットが付いてる!」みたいな感じで(笑) 喜んでいただけたら嬉しいです。

POETIQUE
ディレクター

ファーティペットを外すと、春先も着れます。

先ほども触れましたが、お小遣いが少ない中で買ってくださるお客様もいらっしゃるので、できるだけ長く、できるだけ色んな着方ができるように工夫をしました。

ボタンは、渋すぎないシャンパンゴールドで、デザインポイントとして主張のあるものをセレクト。

毎年買ってくださっているお客様にも、例年とは違うバージョン、デザイン、着た時のシルエットを、新鮮に楽しんでいただけるように、細部にまでこだわっています。

インタビュアー

カタログではワンピースと合わせたスタイリングになっていますが、どのように着るのがおすすめですか?

POETIQUE
ディレクター

好きなように着ていただくのが一番ですが、カタログのスタイリングに加え、コートの特徴を存分に活かした「ショートパンツにブーツを合わせたスタイル」もおすすめです。

ブロッキングブーケ刺繍ワンピース

インタビュアー

お次は、カタログでファーティペットロングコートと合わせてコーディネートされていた、ワンピースについてお伺いします。

POETIQUE
ディレクター

こちらのワンピースは、コートに合わせる前提で制作しました。

丈感はちょっぴり長めで、コートの下からワンピースの裾がかわいらしくのぞくスタイリングをイメージしましたね。

フリルが好きなお客様が多いので、ポイントで入れたりして、ちょっぴり甘い雰囲気もプラスしました。

刺繍はオリジナルで、POETIQUEらしさを表現しながら、主張しすぎない程度の”さりげない可愛さ”に。

ウェスト位置を高めで設定したので、脚長効果もばっちり。常に、着る方のスタイルアップも考えてデザインをしています。

インタビュアー

カラーリングもとっても可愛いですね…!色については、意識しているポイントはありますか?

POETIQUE
ディレクター

できるだけ色んな年齢の方に楽しんでいただけるカラーリングを意識しています。

例えば、トレンドの色味でも、そのままの色だと着づらいことってありますよね。トレンドは取り入れた上で、少しトーンダウンしたりして、「どんな方でも取り入れやすいカラー」に調整しています。

今回は、柔らかめのくすんだ色味で、単体でも着やすく、アウターとも合わせやすいカラーリングにしました。

カラーリングだけではなく、サイズ感も、「どんな方でも着られるサイズ感」にこだわっています。

ウェストはゴムで締まっていますが、全体的に幅広く伸びる仕様なので、ワンサイズでも華奢な方からふっくらした方にまで着ていただけます。

インタビュアー

どんな時に着てほしいですか?

POETIQUE
ディレクター

デイリーに着られるデザインに加え、今回は「お出かけ感」を意識して制作しました。

秋冬は、ハロウィンとか、シルバーウィーク、クリスマス、年末年始、学生さんだと冬休みなど、これからはお出かけが多くなってくる時期だと思います。

なので、普段着としてだけではなく、イベントごとの特別なお出かけにも着ていただきたいですね。

音楽シリーズ(ブラウス・スカート・カーディガン・ワンピース)

インタビュアー

お次は、「音楽シリーズ」ということでお伺いしておりましたが、『petits fours』の中で「音楽シリーズ」が一括りとしてあるんですね。

POETIQUE
ディレクター

そうですね。この時期になると毎年、「秋の音楽シリーズ」と銘打って、アイテムをリリースしています。

芸術の秋ということで、発表会があったりするシーズンですよね。芸術の中でも音楽をセレクトし、毎年色んなデザインを発表しています。

インタビュアー

毎年恒例のシリーズなのですね!

では、今回の「音楽シリーズ」のポイントを、まずはブラウスから順に教えてください。

POETIQUE
ディレクター

今回は、ブラウス・スカート・カーディガン・ワンピースの全てに、楽器か音符を入れています。

その中でもブラウスは、着回ししやすいように、リボンだけに音楽モチーフを入れています。リボンは取り外せるので、違うお洋服と合わせるのもおすすめです。

ピンタックは五線譜をイメージしていて、さりげない音楽モチーフに。

こちらもお出かけに着ていただけるよう、ふりふりな要素満載のデザインにしてみました。

また、カーデを羽織った時に、お袖がカーデの袖口から出るように丈感を調整しています。

インタビュアー

ピンタックの五線譜イメージ、「隠されたこだわり」って感じがして、素敵ですね…!

続いて、スカートのポイントはどこでしょうか?

POETIQUE
ディレクター

スカートは、ピアノ鍵盤と弦楽器のプリントと、猫ちゃんが遊んでいるキュートな柄がポイントです。

お揃いの生地のベルト付きなので、このままでも着ていただけます。取り外し可能なので、お手持ちのベルトを合わせてもOKです。

ウェスト高め&フワッとしたシルエットで、POETIQUEの象徴的なガーリースタイルが叶うスカートになっています。

余談かもしれませんが、この柄を作っている最中に、「この猫ちゃんをここに移動してください!」「ここの猫ちゃんはもっと違う猫ちゃんにしてください!」など、猫ちゃんの種類と配置について修正を重ねたのも印象的でした(笑)

インタビュアー

猫ちゃんの移動…(笑) なんとも可愛らしいやり取りですね!

続いてカーディガンなのですが、こちらはバイオリンのボディ部分の穴(?)のデザインでしょうか?

POETIQUE
ディレクター

その通りです!カーディガンには、バイオリンの「f字孔」をモチーフにしたワッペン刺繍を、ベロア生地で施しました。

お袖はトレンドのボリューム袖を採用し、質感が変わるように編み地まで変えています。

また、ボタンもこだわりの一つで、ブランドを通してクラシックなアイテムにはパールボタンを採用しています。

ファーティペットロングコートのボタンにも共通するのですが、「ボタンまで可愛い」というポイントは、ブランドの特徴として強く意識している部分です。

またこちらは、音楽シリーズの中では、音楽モチーフが主張しすぎず、オールマイティに着ていただけます。

ショート丈なので、スカートにもワンピースにも合わせやすいです。薄めのニットなので、コートの中に着れるのも嬉しいポイントですね。

インタビュアー

ボリューミーなお袖が可愛いですね…!続いて、ワンピースのポイントを教えてください。

POETIQUE
ディレクター

ワンピースには、トイマーチ(おもちゃの音楽隊)と楽譜のプリントをあしらいました。色味は全てクラシカルな雰囲気で、3色での展開です。

裾にいるウサギとネズミが、バイオリン、ホルン、ドラムなどマーチングバンドステージを楽しんでいて、後ろには音符の柄があしらわれています。

ブラウスとカーデを合わせて着れるように、上半身は割とシンプルめ。「他のアイテムとの合わせ方も考えつつ、一枚でも成立するもの」を意識しましたね。

その点では、肩フリルありのデザインも検討したのですが、秋冬の重ね着が楽になるという理由で、肩フリルを無しにしました。

フリルがあると、コートやカーデなどを上に着た時に、邪魔になってしまうかなと。時期的な着回しやすさを考えた上で、試行錯誤を重ね、「フリルをなくす」という判断をすることもよくあります。


インタビュアー

お話を伺う前と、伺った後では、アイテムの見え方が変わりました。本当に細かい部分まで考えられていて、こだわっていらっしゃるのですね。

最後になりますが、「お客様にPOETIQUEをどんなふうに楽しんでもらいたいか」お聞きしてもよろしいでしょうか?

POETIQUE
ディレクター

冒頭で述べた内容と近いのですが、シーズンコンセプトと共通していて、「自分の好きなものを、好きなだけ、好きなように」楽しんでいただきたいです。

POETIQUEのアイテムは、トータルコーディネートでももちろん考えていますが、単体で合わせても着やすいようにデザインしています。

デザイナーとしてカタログのスタイリングもしていますが、アイテムの組み合わせ方や着方も、カタログのままじゃなくても全然いいんです。

お持ちのものをミックスしても良いし、好きなものをちょっとずつ買って自分なりに組み合わせても良いし、シリーズで揃えて合わせてもらっても良いし…。とにかく自分の好きなアイテムで、色んな組み合わせを楽しんでいただきたいです。

そんな中で、行く場所や合う人に合わせて色んなお洋服を試しながら、自分の好きなものを探していく喜びも、一緒に楽しんでいけたらなと思っています。