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“つながる”に、こだわる|五十嵐社長インタビュー 02|

axes femmeでは「つながろう」をコンセプトに、ブランドとお客様、お客様とお客様がつながるためのプロジェクトをいくつも開催しています。この取り組みを立ち上げ、自ら全国各地の店舗に足を運び、先頭に立ってお客様とのつながりの機会を作り続けている五十嵐社長。そんな五十嵐社長にインタビューし、「なぜそこまで“つながるにこだわる”か」を聞きました。 「結果を出さねば」今だから話せる、“3代目”の葛藤 ーー五十嵐社長とaxes femmeとの関わりについて、教えてください。 axes femmeのブランドの歴史については前半のインタビューでお答えしましたが、僕自身がブランドと関わるようになったのは2002年頃、axes femmeが誕生する直前です。 axes femmeを運営する株式会社アイジーエーの3代目として生まれた私は、入社当初からブランド立ち上げに携わることとなり、商品企画・営業を任されます。 出来たばかりのブランドを担当する上で目標としたことは、とにかく売れる服を作って売上をつくり、新たな商業施設への出店を増やすこと。 それが使命だと言ってもいいくらい、気合が入っていました。 当時はまだ20代半ばで年齢的に若かったこともあり、かなり強気な青年だったと思います(笑)。 他のヤングレディースアパレルのブランドや、それぞれの地での地域密着のブランド、それらには負けまいと、できることは何でもやる、という日々でした。 2003年にはaxes femmeの新拠点として東京にオフィスを構えることになり、併せて私も福井から上京。 最初は、事務所兼寝床みたいなオフィスでしたね。そして、2004年からオリジナルの商品作りを始めます。 店舗を増やしていくことについても、商品作りについても、それまでアイジーエーで手腕を奮ってきた先輩方がついてくださり、一つひとつ教えてくださいました。 おかげで、今日の私がいます。27才で副社長に就任、33才から現職についています。 ーー3代目として、プレッシャーを感じたりはしなかったのでしょうか? そうですね。今思えば、ずいぶん長い間、肩に力が入りすぎていたと思います。 生まれた時から3代目社長になるための教育を受けてきましたし、会社の発展のために結果を出し続けなきゃ、という意識は強かったですね。 少し前の自分を振り返ると、見た目から全く違うんですよ。 「社長」という重い鎧を自分で背負ってしまっていたのかな、毎日ビジネススーツを着て、眼鏡をかけて。恰幅良い方が威厳が出るのではと、体型もわざと大きくしていました。 ーー今の五十嵐社長を知る方には、意外な姿かもしれないですね。 ここ数年、社長として経営を主とする立ち位置から世界を一歩広げ、お客様と直接会うする機会を増やしました。 それによって得られたことは、結果を出すために必要なことは、良い商品を作りお店を増やすことだけではない、という気づきです。 「お客様とつながる」こと、そして僕自身もファッションを楽しむことが大切なのだと、わかったんですよね。 “お客様とつながる”に、ブランドの可能性が隠れていた ーー五十嵐社長は毎週のように全国の店舗に赴き、お客様とのイベントに参加しているイメージがあります。そこまで「お客様とつながる」ことにこだわるようになったきっかけは、何ですか? axes femmeでは7年前から1年に1回、創業の地・福井県でファミリーセールを行っています。私も当日現地に行き、ドキドキしながら、店頭でお客様をお迎えしてみることにしました。 そうするとね、社長という立場からは知ることができなかった世界があったんです。 ーーと、言いますと? ファミリーセールに来てくださるお客様同士が、初対面なのにもかかわらず和気あいあいとお話ししている光景を見ました。 また、すでに顔見知りになっているお客様同士も多く、たとえ住んでいる場所が離れていても、「axes femmeが好き」と言う共通項でつながりを持っていたんですよね。 中には、一緒に写真を撮るために行列ができるようなお客様もいる。後から聞くと、axes femmeのお洋服について発信してくださっている有名なブロガーさんでした。 スタッフからその存在については聞いていましたが、ここまでの人気ぶりとは…と。「自分たちの洋服が売れた先」に、新たなコミュニティがあることに驚いたんですよね。 「axes femmeを通じて、いったい何が起きているのかを知りたい」 この気持ちが、後の #axesfemmeでつながろう につながる最初のきっかけです。 ファンの方々がすでにつながっているのであれば、ブランド側からもさらにつながれる場を作ったらどうだろう?お客様とつながり、またお客様同士がつながっていく機会を作ることこそ、私たちの使命。 そこから、ファミリーセールと同時にファンミーティングを開催するようになり、ファンミーティングを開くほどの規模感でなければワークショップをやってみよう、銀座本社の一部を顧客様向けのお買い物スペースにしたらどうだろう、と、新たなプロジェクトが続々と生まれました。 かつての私は、ブランドを大きくしていくためには「いかに新しい人との出会いを増やすか」が大切だと思っていました。 もちろんそれも大事だけれど、私たちが優先して取り組むべきは「お客様をいかに知るか」。価値観が一変した経験です。 ーー社長が自らお客様とつながるブランドは、そう多くないですよね。実際にお話しされてみて、いかがですか? お客様との会話の一つひとつが、今のaxes femmeを作っていると言っても過言ではありません。 ブランド誕生から今年で20年、働いてくれているスタッフでさえも入社や卒業などで入れ替わる中、20年前から変わらず好きでいてくださるお客様も多いんですよ。 そう考えるとね、ブランドについて一番知っているのはお客様ではないですか。 我々レディースアパレルは、世の中のトレンドに大きく左右される業種です。 […]

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2022.03.28 Mon.